極私的偏愛映画⑭『グラン・トリノ』あっぱれイーストウッド爺が魅せる。最最最高の大大大傑作。

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グラン・トリノ』は当時、劇場で鑑賞した映画としては、長らく筆者の中ではイマイチな映画として認識していた。当時は良さがよく理解できなかったのである。

 

本作の味わいや良さに気がつくことが出来たのは、ごく近年のことである。

それは、「クリント・イーストウッド」というスター兼、名監督の足跡を辿ったのちにこの映画をことあるごとに観返すに到り、今作の奥深さ、演出の懐の深さ、クラシックな良さに段々と味わいを感じるようになったのだった。

 

それでは、やっていきましょう。

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極私的偏愛映画⑬『ヴィドック』連続殺人鬼”鏡の顔の男”を追う、超異色の仏製探偵ホラーの怪作。

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今回はかなりの変わり種ダネ、フランス版『フロムヘル』とも言うべき怪作、

ヴィドック』をご紹介。

 

これを観ている人はそうそう出会ったことがなく、オススメしてもクセが強すぎてハマる人はハマるし、ダメな人はダメな場合が多い。

 

要するに、筆者ホイホイな映画なわけだが、早速やっていきましょう。

 (風邪気味なので、やや文章が荒れめ)

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極私的偏愛映画 ⑫『ベイビー・ドライバー』音楽とアクションの音ハメが心地よい、”聴く映画”の金字塔。

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ショーン・オブ・ザ・デッド』と、『ホット・ファズ
グラインド・ハウス』のオマケなど、テンポよい編集に、イカした音楽オフビートな笑いと、筆者的にはビンビンに好みのポイントを突いてくる、エドガーライトだったが、今作は氏の集大成とも呼ぶべき大傑作。

 

以前、FBに記載した内容の加筆、修正版になります。

 

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極私的偏愛映画⑪『Vフォー・ヴェンデッタ』全てが”アメコミ映画”として理想的なバランスで成り立った奇跡の一作。

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2007年からのマーベル・シネマティック・ユニバースを始めとする、現在のアメコミ映画の台頭はさながら破竹の勢い、ハリウッド資本の幅を利かせた黒船来航である。

それは数多の外国産映画に対して、国内の港が開かれている証明でもあるが、それこそ『アイアンマン(2007)』までのアメコミ映画の需要と供給に関して、筆者が記憶するのは、強い飢餓感であった。率直にアメコミ映画に飢えていたのだ。

 

というわけで、今回は反社会的思想犯を主人公とした異色のアメコミ映画、

Vフォー・ヴェンデッタ』を紹介するよ。

 

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極私的偏愛映画⑩『ゾディアック』究極のオブセッション映画。演出が冴え、役者が光る。自己内葛藤映画の決定版。

 

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ロバート・ダウニーJr(アイアンマン)マーク・ラファロ(ハルク)に次いで、

ジェイク・ギレンホール(ミステリオ)マーベル映画入りしてしまったせいで、

 

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いずれ「マーベル役者が共演していた映画」として紹介されてしまうんじゃないかとヒヤヒヤする今作。でも、同じくらい観ている間もヒヤヒヤさせてくれる、ゼロ年代一桁に制作された、デヴィット・フィンチャー監督の傑作スリラー。

 

それでは、やっていきましょう。

 

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ミニマル映画ゲマインシャフト第3回大会 感想レポ

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去る1月18日に行われた、ミニマル映画ゲマインシャフトというオムニバス形式、短編映画の上映会に行ってきました。

直接的なきっかけとしては、本プログラムで上映された『穴を掘る』の監督、矢川健吾さんからのご招待だったんですが、当日は別作品の撮影で国内に不在という状況だったので、完全に今回は知り合い目線無しの、感想レポートになります。

 

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ネトフリってどーなのよ②『ポーラー 狙われた暗殺者』北欧の至宝、マッツ・ミケルセン。ヤりマッツ撃ちマッツ泣きマッツ、全てのマッツファンに捧ぐ。

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久々のネトフリ案件。『ポーラー 狙われた暗殺者』鑑賞。

 

北欧の至宝こと、マッツ・ミケルセン主演の、『ジョン・ウィック』風ガンアクション・バイオレンス・ムービー。

本筋からして「舐めてた殺人マシーンが、やっぱり殺人マシーンでした」という、オチは火を見るより明らかな、出落ちみたいなネタだが、

SNS上では「どこを切ってもマッツ一色の金太郎飴状態」「マッツのAV」とかいう、いかがわしき感想が乱立してたのと、公開前から出回っていた「指先から四方八方にビームを射出するマッツ」の絵面からして、傑作の予感がプンプンしていたので、その正体を確かめるべく、いざ鑑賞。

 

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感想『ミスター・ガラス』シャマCU、感動のフィナーレ。シャマラン教徒にとっての教典となるか

 

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突然だが、僕はシャマラニストだ。

 

シャラマニストとは、皆様ご存知だろう、M・ナイト・シャマラン監督の映画を愛してやまない、カルト教のようなものである。

 

カルトとは、映画評論家、柳下毅一郎氏いわく、「表立って活動できない教団の集会が夜な夜な秘密裏に執り行われる様」に由来するというが、

シャマランの作品もまた、作品自体の完成度や一般の認知度、満足度に関わらず、

なぜかごく一部の圧倒的な支持でもって成立する。

 

そんなシャマランの最新作、いち教徒としては行くしかない。

 

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感想『ドドンパ酔虎伝(1961)』昭和ならではの過剰なサービス精神。色あせない珠玉の名作。

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昨日の『九ちゃん刀を抜いて』と同じく、神保町で開催中の【迎春特番  踊る時代劇】特集にて鑑賞。1961年、大映京都、川内康範脚本、田中徳三監督作品。

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