ネトフリってどーなのよ②『ポーラー 狙われた暗殺者』北欧の至宝、マッツ・ミケルセン。ヤりマッツ撃ちマッツ泣きマッツ、全てのマッツファンに捧ぐ。
久々のネトフリ案件。『ポーラー 狙われた暗殺者』鑑賞。
北欧の至宝こと、マッツ・ミケルセン主演の、『ジョン・ウィック』風ガンアクション・バイオレンス・ムービー。
本筋からして「舐めてた殺人マシーンが、やっぱり殺人マシーンでした」という、オチは火を見るより明らかな、出落ちみたいなネタだが、
SNS上では「どこを切ってもマッツ一色の金太郎飴状態」「マッツのAV」とかいう、いかがわしき感想が乱立してたのと、公開前から出回っていた「指先から四方八方にビームを射出するマッツ」の絵面からして、傑作の予感がプンプンしていたので、その正体を確かめるべく、いざ鑑賞。
物語としては、休日のバカンス先で安い美女を連れ立ってプールサイドでお楽しみタイム中の男が、美女に自慢のムスコを打ち込む直前、どこからともなく飛んできた弾丸を胸にブち込まれ死亡。
美女におしゃぶりご奉仕されながらの大往生だったため、アソコを天高くおっ立ったてたまま死亡という、突拍子もないシモネタ全開のシーンで幕を開けるよ。
筆者は既にこの段階で、この映画から「小池一夫み」みたいなモノを感じとってしまい、「あ、これ笑えるやつだ」と、シリアスを期待していた自分に早々に見切りをつけて、ねっ転がって観ることにした。
先のシーンで殺害された男は、いわゆる「殺し屋人材派遣会社」の殺し屋(社員)で、定年退職後のリタイア生活を満喫していたところ、奇しくも会社が他社からの買収を受け入れる条件として、引退した殺し屋の年金切りによるコスト削減の為に抹殺されたことが明らかに。
「殺し屋に正社員雇用制度と年金がある」という斬新な設定にかなり度肝を抜かれる。
そもそも、この作品は海外のグラフィックノベルが原作らしく、鑑賞後に調べたところ、かなりフランク・ミラーの影響を強く受けたことが分かる。
ちなみに、原題の『ポーラー』とは、”極地”という意味だそう。
たぶん、作者なりの『シン・シティ』を作りたかったのだろう。
だから、やたらと荒唐無稽なキャラや設定が乱立しているのだろうけど、
グロ・エロ描写がやけに生々しかったり、色彩鮮やかな画作りになっているので、うまいこと実写の良さとマンガ原作らしいポップな印象が組み合わさって、総合的に観やすい良作になっていると思う。
類似したテイストの作品を挙げるとしたら、『スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい』に限りなく近い。
とはいえ、「女を抱きながらでも殺しの手は緩めない男こそ最強の漢らしさ」みたいなテーゼが根底に流れている以上、どうしても刃牙みというか、やっぱり小池一夫っぽいなとか思っちゃいますよね。
紳士っぽい素振りで「アレ?ヤラないのかな?」と思えば、カットが変わって虚無の表情でガンガン腰振って、対して女が「ウォォォォ~!アォォォ~~!こ、殺してぇぇぇ人殺しィィ!死ぬぅぅ!」みたいな感じは、すげーさいとうたかおっぽい。
~閑話休題~
マッツが演じるはブラック・カイザーという老齢だが凄腕の殺し屋。なんだかケビン・スペイシーと永井豪を足して2で割ったようなネーミングセンスなのが残念なところだが、
敵役が「やべぇ…カイザー様だ…」「カイザー様に道をお譲りするんだッッ!!」と恐れおののく最高のシーンが観れるのだから、十分お釣りがくるってものだ。
とにかく、今作自体がタイトルのとおり、「老眼マッツ」「直腸検査マッツ」「ヤりマッツ」「撃つマッツ」「泣きマッツ」「拷問されマッツ」と、
なんだか、木曜洋画劇場のヴァンダム特集みたいなアオリは置いておいて、
マッツ・ミケルセンという俳優を100%堪能できる、マッツによる最高のマッツ映画となっているので、ファンの方からすれば、「マッツの乳首もぎ取られ慟哭」のシーンだけでもNETFLIXに加入する価値があるというものだろう。
㈱殺し屋カンパニーの社長、ブルートは、絵に描いたようなチビ&デブ&ハゲの三拍子。
加えてマザコンナルシスト&悪趣味のサディストのフルハウス状態という、殺されるべくして生まれてきたような設定のオーナーなんだけど、
劇中では爪切りとラジオペンチを駆使して、マッツの体から、4日間かけて少しずつを肉を削ぎとっていくという、本当に視聴者の求めていた映像を提供する悪魔の所業以外は、基本的に部下の不始末に駄々をこねてブー垂れてるだけなので、実質無害だよ。
何をやってもマッツに看破されるしね。
で、そんなブラックすぎる企業の従業員も、揃いも揃ってお荷物揃い。
初登場時こそ、豪華なアニメーションでテロップ紹介があるけど、ぶっちゃけ、観終わる頃には、篭絡要員で投入された、窓に巨大オッパイを張り付けながらバックポジションでマッツの股間のブラック・カイザーで突かれまくりヨがりまくりのお姉ちゃん以外、ほとんど記憶にすら残らないくらいあっさりカイザー様に皆殺しにされて退場していくので、特に名前とかは覚えなくて大丈夫。
ともあれ、カイザーも殺し屋年金切りの対象とされていたことを知り、半ば腹いせのように、悪人どもをバッタバタと返り討ちにしていくのだけれど、親しくしていた隣人の女の子を人質にとられ、ニッチもサッチも行かない状態に。
爪切りで乳首は切り取られるわ、女の子はシャブ漬けにされるわで、
も~~タイヘン!
どうするんだカイザー!立つんだ!カイザー!
次回、『豪傑浪人ブラック・カイザー』最終回、「サンタさんは俺だった!?」ご期待ください!