極私的偏愛映画⑪『Vフォー・ヴェンデッタ』全てが”アメコミ映画”として理想的なバランスで成り立った奇跡の一作。
2007年からのマーベル・シネマティック・ユニバースを始めとする、現在のアメコミ映画の台頭はさながら破竹の勢い、ハリウッド資本の幅を利かせた黒船来航である。
それは数多の外国産映画に対して、国内の港が開かれている証明でもあるが、それこそ『アイアンマン(2007)』までのアメコミ映画の需要と供給に関して、筆者が記憶するのは、強い飢餓感であった。率直にアメコミ映画に飢えていたのだ。
というわけで、今回は反社会的思想犯を主人公とした異色のアメコミ映画、
『Vフォー・ヴェンデッタ』を紹介するよ。
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極私的偏愛映画⑩『ゾディアック』究極のオブセッション映画。演出が冴え、役者が光る。自己内葛藤映画の決定版。
ロバート・ダウニーJr(アイアンマン)やマーク・ラファロ(ハルク)に次いで、
ジェイク・ギレンホール(ミステリオ)がマーベル映画入りしてしまったせいで、
いずれ「マーベル役者が共演していた映画」として紹介されてしまうんじゃないかとヒヤヒヤする今作。でも、同じくらい観ている間もヒヤヒヤさせてくれる、ゼロ年代一桁に制作された、デヴィット・フィンチャー監督の傑作スリラー。
それでは、やっていきましょう。
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感想『ボヘミアン・ラプソディ』やっぱりこれは”心の旅だよ”
既に世間的にもかなり評判もよく、身内のあいだでも”傑作”の呼び声の高い、
故・フレディ・マーキュリーと半生と伝説的バンド、”クイーン”の生い立ちを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』
例に漏れず、公開初日に観てはいたのですが、仕事にかまけて文章化する時間が取れなかったのですが、世間からの良し悪しの感想や、評論家からの批評もある程度で揃った感があったので、個人的な感想とこの映画の持つ”正しさ”について、
さらっと振り返ってみたいと思います。
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