感想『コリアタウン殺人事件』うーん…怖っ!
昨年(2020年)末あたりからSNSにて、【マジで不気味なドキュメンタリー風ホラーがある」と話題になっていたものの、特に理由なくスルーしていたのでエイッと鑑賞。
お話は主人公の住むロサンゼルスのコリアタウンにて、妻が夫を刺し殺す事件が発生した直後からスタート。ちょうど無職で暇をもてあましていた主人公は調査と称して事件を追うように。
カメラが主人公を映すことはほぼなく、序盤こそ彼女と親しげに接する描写などが挿入されていたものの、次第に怪しいカルト教団や不可解な死、不気味なホームレスの証言などに翻弄され、疑心暗鬼となりやがて周囲に攻撃的な態度を取り始め、狂っていく様子が収められていた、というもの。
この映画は実在の事件に基づく、いわゆるファウンドフッテージと呼ばれる作品で、劇中で扱う夫婦殺害事件も実在とのこと。
ただし、劇中で言及されている物的証拠や人物に関してはどこまでが実在しているかの明確な線引きがないので分からない状態。
結論から言うと、好きだな〜と感じる面と安っぽく感じてしまった部分が共存する、不思議な映画だなぁという印象。
『ゾディアック』の感想でも述べたんですが、自分は主人公が「自分の意思で何かを成し遂げようとする話」が好きで、
それは“火事だから窓を割る”とか、状況的に当たり前の判断をするとかではなく、“誰からも求められていない所に執着すること”と同義だと思ってます。
そこをいくと、今作は誰得な状況から捜査を始めた主人公が徐々にぶっ壊れていくので、まさに自分好みな映画のはずなんですが、
問題は物語後半で描いているオカルト風味なオチがあまりにも作り物っぽさに寄って行ってしまうのがあまりにも残念。
作り物っぽくても、内容が面白かったり真に迫るものがあれば良いのですが、ラストに進むに従って退屈な考察になっていく感は否めなかった。
変に主人公が襲われたりすることがないというのはリアルで良いのだけど、監督の考えている“恐ろしい真実”にいまいちノレなかったな~~というのが正直なところ。