『ミニミニ大作戦』(1969) 誰がなんと言おうと最高の”フェチ”映画なんだってばよ。(雑記)

 

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(前置)子供の頃の映画の視聴環境について色々思い出してみた。

 

 

両親が雑誌の仕事を生業としていた為、かなりハイカラな父母で、一般の家庭に比べると映画館に連れられて行く機会もかなり多かったかもしれない。

ついこの間まで『クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』を観たかと思えば、

クリフ・ハンガー』(1993)といった正統派アクション、『私が愛したギャングスタ』(2000)とかシブすぎるチョイスの映画を連れられて行ったのを覚えている。

 父親と二人でわざわざ埼玉のワーナーまで足を運んだ『アイアン・ジャイアント』や今は無き有楽座で観た『ブレイド』なんかも思い出深い。

 

中でも『GHOST IN THE SHELL』(1995)を今から逆算すれば当時6歳かそこらで絵とはいえ、脳天が爆発四散し、艶かしい女の裸体のオンパレードな映画を大スクリーンで観た衝撃ときたら。

両親曰く「観て直ぐに良さを理解出来なくても良いと思い連れていってた」とのこと。

 

そんな事情もあり映画館に行くことに対して全く抵抗を持たない環境で育った少年時代だったが、反面、家でひとり繰り返しVHSで観る映画は格別の体験だった。

 

映画は映画館で観るべきだし、そう作られるべき」という後年、大学での知識人からの教えに正直完全に同意し切れなかったのもそのせいで、

 

アレは自宅でキメるコカイン並みの中毒性と持続性の高い麻薬と同じ鑑賞体験だったからだ。(後の人生に影響を与える、という意味ではあながち言い過ぎではない…はず)

 

特に気に入っていたものを思い返してみると、

 

このあたりはヘビロテに近い感覚で観まくっていた記憶がある。

共通して多いのは”見所にカーチェイス・シーンがある”というところで、

今なお、特に車自体に深い関心はないのだが、カーチェイスが良さそうな映画には自然と足を運んでしまうし、車の撮り方が良かった映画は問答無用で名作にしている。

 

前置きが長くなってしまったが、もう一本、常用していた珠玉の一本がある。

 

ミニミニ大作戦』(1969)だ。

 

ミニミニ大作戦 (1969年の映画) - Wikipedia

 

ロンドンのとある刑務所を出所したチャーリーは、ボスであるブリッジャーの指示により、トリノで400万ドルの金塊を手に入れる計画を立てる。手練の泥棒仲間たちに加え、コンピュータの第一人者であるピーチ教授を仲間にしたチャーリーたちは、一路イタリアへ向かった。そして、当時のイギリスの象徴とも言うべき、赤、白、青のユニオンジャックカラーの小型車、ミニMK-Iが3台、作戦のためにトリノに送り込まれた。トリノの街は、イタリア警察のアルファロメオと、ミニのカーチェイスが展開されることになる――。

 

この映画、個人的には生涯ベストワンに挙げるくらい好きなのだが、

このかた同じ思いを抱く人間に会ったことが無いし、そもそも映画としては

およそ100点とは言い難い出来栄えという歯がゆさのある一本なのだ。

 

にも関わらず、生涯ベストに挙げるには理由があって、

 

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まず、真の主演たるオースチン・クーパーMk1がクソカッコいい

のである。

 

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単純な車としてのフォルムや、追加で取り付けられた全面のフォグランプ蜘蛛みたいな面構えもさることながら、

 

CG一切なしでイタリア市内を所狭しに駆け回る姿の可愛らしさやシチュエーションの楽しさ、

、白、のカラフルなキャッチーさ。

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3台がわざとらしいくらい綺麗に並走するなど、最早様式美。

 

カーチェイス終盤に差し掛かるにつれ、次第に薄汚れていくわび・さび的な美しさ。

 

なによりお気に入りなのは水路を駆け回った後に、車体が濡れ光るカット。

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今作名物のトンネル走りからのバスインチャレンジ

汚水にまみれまくってドチャクソ土まみれに成り果てたクーパーちゃん。

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今作では「水」や「汚れ」の使い方が圧倒的に上手く、ひとつのモチーフを異なる質感で見せるよう、丁寧なライティングであったり状況の作り方を心がけて作られていることが分かります。

 

その甲斐あってか主演車のミニに限らず、中盤の制圧隊との攻防における放水車シーンなど、ワンシーンとして非常に艶があり、どこはかとない官能的な印象を受けます。

 

そもそもこの時期の車のデザインがかなりツボというのもあって、

 

ランボルギーニアストンマーチンジャガーといった曲線的なフォルムの高級車やアルファロメオのような角ばった良さのある車がこれでもかと登場するのである。

 

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せっかくの高級車を「いい車だ」の一言と共に谷底まっしぐらにするマフィアのボス。 画像が無かったが、崖っぷちにマシンガンを抱えた子分たちが隙間無く並ぶ様は、劇場版『仮面ライダー対ショッカー』のショッカー怪人を髣髴とさせる。

 

 

当然、映画なので複数の要素が合わさって、初めて我々は「良い」と感じるわけだが、

今作は音楽をクインシー・ジョーンズが手がけており、どのシーンもアガる最高のサウンドトラックだ。

冒頭のオープニングあたる5分間の映像など、

まさに自分が魅力的だと思う車の撮り方のお手本のような仕上がりになっている。

 

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具体的に例を挙げると

  • 車体と平行かそれ以下の位置からのカメラアングル
  • 車内からフロントガラスの向こうを捉えた主観ショット
  • 間に挿入される”走る路面のみ”のカット
  • 車体に取り付けたワイコンレンズ使用による広角カット

が、僕の考える乗り物映画の大好物カットである。

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『激突!』より

 

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『ブリット』より

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『マッドマックス 怒りのデスロード』より



要するに「どれだけフェティッシュな部分があるか」という部分に焦点を絞っているので、正直、本当の車好きの好む映画だったり、ドライブテク描写に重きを置いたレースもの役者の芝居ばかり撮ってるやつ凄いカースタントをウリにしている作品は、登場する車種も含めてあまりピンとこないものが多い。

 

最後に、個人的にオススメだなと思う乗り物の撮り方をしている映画を羅列して終わろうと思う。

※有名な『RONIN』や『バニシングポイント』とかもあるのですが、フェテッィシュには感じなかったので割愛しています。

 

 

 

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文字通りのクリフハンガーとは恐れ入った



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