映画『ブラック・パンサー』のEDクレジットがMCUトップレベルで好きだった件
みなさん『ブラックパンサー』はご覧になりましたか?
僕的には「少し食い足りないなぁ」という感想が正直なところなんですが、
実はサントラは毎日ヘビロテで聴くくらい気に入りまくっておりまして…
今回は「EDで流れた映像のみ」という誰が得するのか分からない感想を書き連ねていきます。
欧米ではもう今作のデジタル配信がスタートしたらしく、Youtubeをざーっと観ていても、様々なところでHD画質でのクリップがUPされているのを見掛けます。
もちろん私はブルーレイ&DVD予約しましたよ!
せっかくなので、実際の動画が上がるまで待とうと思っていたんですが、
思っていたより早いタイミングで動画がUPされたので、実際にご覧頂きながら
「ここすき」というポイントをご紹介。
『ブラック・パンサー』の主題歌でもある”All The Stars”がEDクレジットの曲でも採用されています。
曲自体は本作にて楽曲のプロデュースを行ったケンドリック・ラマーとSZA(シザ)とのコラボ楽曲となっています。
元のMVと比較してご覧頂けばわかるのですが、EDに使用するにあたって楽曲をほんの少しリミックスしているんですね。
元楽曲のイントロにあたる「ドンッ♪ドドッ♪」というベース音を大胆にカットしてSZAのボーカルがすぐに導入部にくるよう調整されています。
(このイントロも、PVの世界観にグイグイ引き込まれるような印象があり、初めて観た瞬間からゾックゾクしっぱなしだったのですが)
始まって直ぐに画面に映るのはワカンダ名物である黒豹のモニュメント。
作品のテーマカラーである紫を基調とした色調と、対を成すエリック・キルモンガーのイメージカラーである、黄金(オレンジ)の色調が交互に画面を彩ります。
※物語ラストで初めてティチャラとエリックが肩を並べて目にする光景にも由来しているかもしれませんね。
うってかわって赤色で表現されたドーラ・ミラージュの勇姿に続き、ワカンダの風景が映り、イメージ的な画面ですが、アフリカの幾何学模様が表現された画面が、
楽曲のビートに合わせて振動します。
音響の良い劇場を選んで鑑賞しましたが、ビートが身体に響く感覚がたまりませんでした。
冒頭のワカンダの成り立ちを説明する際や、偵察時の地図の表示でも用いられた砂による立体表示という、
”砂画のようで最先端のナノテクノロジー”
という、今作の絶妙なサイエンス・フィクションの塩梅をビジュアル化した演出が、
単純にカッコ良い。
その他にも、
- 登場人物が画面内に映ると、対応したキャストの名前が表示される
- 劇中のシーンをハイライトとして反復して見せてくれる
- 物語のロケーションを振り返りながらじっくりと映す
など、ひとつの物語を見終わってからみる映像として、
「あぁ、あったあった」
という風に最大限、作品の余韻を楽しめる雰囲気作りに徹底しておりながらも、
一つのミュージックビデオとして幻想めいた作品世界観を漏れなく伝える役割を果たしているのが凄いなぁと。
なにより、この直前のシーンからのEDに入るタイミング、
"All The Stars"自体の持つアンビエントな楽曲の魅力、
「手が届きそうな星たち 今夜 私の夢が教えてくれるかも知れない」
というどこか浮世離れしたサビ、SZAの少年のような中性的な歌声、
冒頭のある人物から語られる故郷ワカンダの描写、全てが複合的に合わさった結果、
観終わった際の圧倒的な浄化感が凄まじく、
同じくリミックスした点として上げられるSZAのボーカルから、しっ…とりとフェードアウトしていく流れのスムーズさも見事で、
このEDで『ブラックパンサー』という作品自体の風呂敷をたたみ、今作での悲喜こもごもを全て許されたような、そんな抱擁力に満ちた感覚に襲われる名EDだと思います。
フルCGでカメラがグリングリン移動するのも没入感がUPする常套手段ですし、
もうね、ワカンダすき。
…などと、ブラパンにあやかって紫カラーで文字を染め上げてみましたが、
元曲のMVも全く別の魅力爆発のビジュアルになっているのでオススメです。
あと、同じ系統でMCUからは『キャプテン・アメリカ』の1作目と2作目。
そして『ソー バトルロイヤル』
『スパイダーマン ホームカミング』なんかも遊び心の感じられるEDでした。
DCEUからは『ワンダーウーマン』のEDクレジットも素晴らしかったですねぇ。