※ネタバレ無し『アベンジャーズ インフィニティウォー』10年間に及ぶマーベルからの最大級のご褒美
2008年公開『アイアンマン』から早くも10年。
MCU(マーベルシネマティックユニバース)の旗のもと数多くのマーベルコミックヒーローが世に放たれた。
いくつかのヒーロー単体の主演作を公開した後それらをまとめ上げ巨大なお祭り映画に仕立ててしまった『アベンジャーズ』。そこから新たに派生した更なる単独主演作やNetflixをメインとしたドラマシリーズなど。マーベルにとってはこの10年はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
『インフィニティウォー』はそうしたマーベルのフランチャイズの究極系であり、またクリエイティブな面での1つの終着点といっていい仕上がりとなっていた。
10年かけてじっくりと温めてきたシリーズの変遷をまさに目の当たりにしてきた身としては実に感慨深いもので、なんという時代になったのだろう、最高だ!
ただ10年というと漠然とした数字でしかないが、まさにこの10年めを迎えるにあたり、19作品を世に出し続けた結果、
膨大になり過ぎたマーベル作品は今となってはファン以外のライトなユーザーには最早とっつきづらいジャンルとなってしまっている面はある。だが、この10年間、あしげく劇場に足を運び続けたファンにとってみれば、
今作はまさに10年間このプロジェクトを見守り続けてくれた世界中の全てのファン(信者)に対する、マーベルからの最大のご褒美に他ならない。
MCUはもはやエンターテイメントという領域を超え、いわば聖書や神話の世界になりつつある。世界中の圧倒的なセールスや評価を差し置いたとしても、作品に対する一定の質や方向性を維持したまま走り続けるという事が、いかに途方もなく困難で、驚嘆すべき出来事なのか。
「一本の映画」の価値を超えてそれら全てを束ね上げ、映画史に残る偉業を成し遂げてしまったという事実にただ平服するばかりだ。